「モリタク」の愛称で多くの人に親しまれた、経済アナリストの森永卓郎さんが、自宅で亡くなりました。67歳でした。がん闘病中でしたが、亡くなる前日までラジオに出演、最後まで“生涯現役”を貫いた人生でした。
森永卓郎さん(67)死去 最後まで“生涯現役”を貫き

森永卓郎さん(2016年1月放送・当時58歳)
「世界中でなんで儲かっているのか分からないお店がたくさんあるんですけど、そこには隠された秘密が必ずあるんですよ」
「日本の経済を分かりやすく」、そして、ときにはコミカルに。

長年、Nスタファミリーとしてコメンテーターをつとめてきた経済アナリストの森永卓郎さんが、28日に亡くなりました。67歳でした。がん闘病中にも最後まで“生涯現役”を貫いた人生でした。
経済に精通、政権に苦言も… “モリタク”の愛称で愛され
東京大学出身の森永さんは、大学卒業後、銀行系のシンクタンクなどを経て、経済アナリストとして活躍しました。

2003年には「年収300万円時代を生き抜く経済学」を出版し、ヒットしました。2003年の新語・流行語大賞では「年収300万」がトップテン入り。

森永卓郎さん(2003年・当時46歳)
「現実に300万円年収時代が来たってことでこの本が売れたと思うんですけど、それだけ世の中がひどくなったという何よりの証拠なのかも知れません」
その後、数々のテレビ番組に出演してきました。

TBSのがっちりマンデーでは、「CM2のあとで…!」のフレーズがお馴染みとなりました。
そして、Nスタでも長年コメンテーターとして活躍。2019年に消費税が10%に引き上げられたときには、時の政権の経済政策を厳しく批判。
森永卓郎さん(2019年10月放送・当時62歳)
「私は景気に相当厳しい影響が出るとみています」
「政府・麻生財務大臣(当時)は、大した影響がないという判断なので、私はその景気認識は、間違っていると思います」
さらに、当時の安倍総理が主催した「桜を見る会」の問題では、前日に開かれた「前夜祭」の安すぎる会費についても苦言を呈しました。

森永卓郎さん(2019年11月放送・当時62歳)
「こんなのあるわけないんですよ。5000円でお寿司付きの宴会ができるなら、私、学生連れて新年会やりますよ。ありえない説明をしているから国民はみんな不信感を持っている」
一方で、オタク文化にも造詣が深く、コレクターとしても知られていました。
サブカルチャーの祭典「コミックマーケット」の話題を伝えたときには…
森永卓郎さん(2019年8月放送・当時62歳)
「(コミケに)出店したことがある、友人と一緒に同人誌作って、“オタクの経済学”を書いて売ったが思いっきり空振りした。それ以来呼ばれなくなりました」

2014年には13万点を超えるコレクションを展示する自分だけの「博物館」もオープンさせました。
森永卓郎さん(2020年1月放送・当時62歳)
「30周年のときの一番最初のブルーバードSSSを純金で作ったやつ、20年前で100万円だった。カミさんがブチギレて」
“モリタク”の愛称で、多くの人から愛されてきた森永さん。