余命『一年半』を、やりたいことを詰め込む『一年半』に

 竿下さんが体の異変に気づいたのは、2023年2月でした。咳が止まらず病院を受診したところ、『ステージ4の肺腺がん』と診断され、告げられた余命は『一年半』でした。

 (竿下和美さん)「やっぱりがんになったんや。仕事で3時間くらいしか寝ない生活をずっと送っていたので、しかたないなと。余命なので死ぬイメージはしていたけれど、死ぬまでにやりたいことを詰め込める一年半と考えた」

 残された時間で街の人みんなで音楽に親しめる機会を作りたいと考えた竿下さん。小学生から高齢者まで、誰でも参加できる合唱コンサートを2024年の年末に主催することにしました。

 宣告された余命だと夏ごろには命が尽きます。最後まで見届けられるか分からないなかでの決断でした。

 (竿下和美さん)「シニア世代の人もパワーをもらえたり、子どもたちも気を遣ったり、心の交流ができる場になることが一番の目的」
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 コンサートのメインはベートーヴェンの『第九』。半年間、合唱の練習を重ねます。発音が難しいドイツ語の歌詞。子どもを前の列に配置し、大人の声でリードします。