中国政府期待の「低空経済」 規模は10年後75兆円に

「宅配ドローン」のように高度1000メートル以下の低空域を使った経済活動のことを「低空経済」という。

中国のドローン関連企業は現在1万7000社以上。中国政府はその旺盛な民間活力を生かし、「低空経済」を経済成長の起爆剤とする姿勢を鮮明にしている。

政府が「低空経済」に力を入れるのには訳がある。

今年1月、中国政府が発表した2024年のGDP(国内総生産)は前年比プラス5.0%の成長。

政府が掲げていた「プラス5%前後」の成長率目標はかろうじて達成したものの、力強さに欠ける状況に変わりはない。

特に顕著なのが国内需要の低迷だ。

政府は消費を刺激しようと自動車や家電製品などの買い替え促進キャンペーンを展開するなどしているが、消費の動向を示す小売りの売上高は前年比3.5%の増加にとどまるなど、その効果が表れているとはいいがたい。

そんな中「低空経済」は2021年から23年にかけて毎年30%の成長を見せている数少ない成長分野。

2023年時点ですでに経済規模は20兆円を超え、2035年には75兆円規模に拡大する見通しだ。