◆結局どっちがいい?無痛分娩 普通分娩

 無痛分娩は「痛みが和らぐ」というだけでなく、母体や生まれてくる赤ちゃんにとってもメリットが大きいといいます。まず、これまでに経験のないような強い痛みが和らぐことで、精神的ストレスが軽減され、血圧上昇や過呼吸のリスクを緩和できるそうです。

 また、一般に妊婦が痛みに耐えている時、子宮胎盤の血流が低下し、赤ちゃんへの酸素供給量が減るといわれています。痛みが和らぐことで、赤ちゃんへの酸素の共有量の改善が期待できるといいます。ほかにも、妊婦の痛みが和らぐため医師の処置が行いやすい、産後の回復が早いなどのメリットも。

 大原医師は「麻酔によるリスクは十分な体制のある施設を選ぶことで最小限にできます。無痛分娩は母体・胎児へのストレスも少なく、必ずしもリスクが高いわけではありません。痛みのないお産を選択する場合は、希望する施設で事前の十分な情報を得て、安全な無痛分娩を選択してもらえたら」と話します。

 また、最近の傾向として大原医師が勤務する国立成育医療研究センターでは、5年前は経腟分娩のうち無痛分娩は6~7割くらいでしたが、最近は約9割が無痛分娩を選択しているといいます。