制服デザインの変遷――令和の多様性を物語に落とし込む

制服の着こなし方も生徒の個性が出る部分だ。「全体のバランスを考慮して、ある程度の基本の着こなしは決めているのですが、生徒キャストそれぞれがキャラクターを表現するためにたくさん考えて撮影に臨んでいるので、ボタンの締め方や袖のまくり方、スカートの長さなどの細かい部分は、皆さんにお任せしています」と、湯﨑氏はキャスト陣に信頼を寄せる。クランクインの日には「自分の役柄としては、どう着こなすと思う?」と1人ひとりに問いかけたといい、それが個性の表現につながっているようだ。

制服の着こなしは時代によって変わるものでもある。平成では短いスカートにルーズソックスを合わせたり、腰パンにしたり、パーカーにブレザーを羽織ったりと、制服の着崩しが流行した。一方で令和の制服は、男女兼用のブレザーなどが登場したり暑さ対策を講じたりと、性別を問わないデザインや着こなしが普及。そんな令和ならではのポイントも劇中で採り入れられている。「平成と令和で違うのはジェンダーレスの制服が増えたこと。女子の制服でもパンツスタイルが出てくるようになりました。スカートの丈も、以前は短いスカート一択の流行でしたが、今はそれぞれ好きな服装ジャンルに合わせて敢えて長めにしてみたりと、着こなし方にも多様性が感じられます。それをどう作品に落とし込むかも考え、男女ともにネクタイスタイルで揃えました」と、令和の学園ドラマを描くうえで欠かせないポイントについて言及した。