比較的 “新しい崩壊” であることがわかる

立石准教授は去年10月から12月にかけて金沢大学などと合同で、富山湾で水中ドローンを用いた調査を行いました。調査を行ったのは神通川河口沖と庄川・小矢部川河口沖の2つのエリアです。

調査は主に海底谷とよばれる谷底から斜面にかけて水中ドローンを引き上げる形で行われました。
神通川河口沖の水深350メートル。「マリンスノー」とよばれるプランクトンなどの生物の死骸などが降り積もり静かだと思われた海底に現れたのは丸みを帯びた石です。
富山大学 立石良 准教授
「こういう石がゴロゴロ転がっているっていうのは予想外。海底谷の一番下のところの様子としてはちょっと不思議。ただ、大規模な崩壊ぽいものはまだ見えていない」
さらにその先を進むと――
富山大学 立石良 准教授
「何かしらの崩壊が起きてるというのは間違いなくて、この近辺で岩盤が剥がれ落ちたんでしょう。何らかの崩壊はあったよねというのはこの時点でもわかる。岩石のブロックが大量に落ちている。断面が非常に角ばっていて、シャープで綺麗な断面をみせているということで、これも比較的最近、新しい崩壊であることがわかるかなと」

さらにズワイガニの背後に現れたのは大きな壁です。
富山大学 立石良 准教授
「この壁もやっぱ非常にきれい。このままずっと壁面が続いて、崖が続いていて、割れ目の形とかを見ると非常に角ばっていて、角が丸くなっていないということで、あとから流れとかで削られたりというほとんどそういう形跡がみられない。比較的最近のものなんじゃないか」
地層が見えるほど綺麗な壁面。
立石教授は表面の様子から最近、崩れたものではないかとみています。

富山大学 立石良 准教授
「もうひとつの証拠は付着物とかもないし、キノコとか菌類とか苔とかを想像していただけるといいかなと思うが、古いとやっぱりぶわーっと、そういうものがですね広まっていく。そういうものも一切ないし、生き物も住んでない」
地層や生物の生息状況から崖が形成された時期が推測できるといいます。