「愛情に差はない」無痛分娩を経験したアナウンサー

≪取材後記≫平岡夏希アナウンサー
今回、無痛分娩について取材しようと思ったきっかけは、慈恵病院の無痛分娩率の高さです。年間1400件の分娩数のうち、約7割が無痛分娩を選択していると聞き、無痛分娩が今、日本全体でどれくらいの割合を占めているのかを取材したいと思いました。
取材する中で、海外と比較して日本の無痛分娩率の低さに驚きました。蓮田院長も話していたように、日本では『お腹を痛めて産んだ子だからかわいい』『陣痛に耐えてこそ母親』『母親になるための最初の試練』などの考え方がまだあるように感じます。
そんな考え方から、出産を控える母親は、どこか「無痛分娩を選択することはズルいのではないか」という気持ちがあるのかもしれません。
私自身も、次女を無痛分娩で出産しています。長女は自然分娩で出産しましたが、長女と次女で愛情に差はありません、かわいいと思う気持ちにも差はありません。「どう産むか」ではないと身をもって感じています。
今回の企画を通して、これから出産を考える女性、妊婦さんはもちろんですが、パートナー、家族、職場の同僚、さらには出産を終えた先輩ママにも無痛分娩のことを正しく理解してもらえたら嬉しいです。
また、無痛分娩とはいえ、痛みが全くないわけではありません。私の場合は、麻酔がとても効きやすかったようで、デメリットにも挙げられている「陣痛が弱くなり分娩の進行が遅れる」といった症状の他に、出産後、強い吐き気に襲われました。出産は常に「命がけなんだ」と痛感しました。
出産がゴールではなく始まりともいわれる中で、少しでも出産の不安や心身の負担を軽くできる選択肢が増えるといいなと思います。