変容する“多様性”どうなる?

小川彩佳キャスター:
トランプ氏の大統領就任が迫るなか、それに呼応するようにアメリカ国内でも“内向き”の姿勢に拍車がかかっている印象を受けますね。

東京大学准教授 斎藤幸平さん:
アメリカの中で戦争によるインフレや格差などによって、多くの人々が苦しんでいるなか、DEIはリベラルのエリートが使う綺麗事だという不満がたまっていました。今回、大統領選でトランプ氏が当選したことで、政治不信・メディア不信・エリート不信が一気に噴出し、トランプ氏がひっくり返してくれるという期待に多くの人が同調した結果だと思います。

ただ、こうした不信感はアメリカだけでなく、日本でも広がってきているのが気になります。兵庫県知事選や中居正広さんに関するメディアの報道に対する人々の不満が可視化されてきています。

すでに国内での影響が出ている中で、不満をぶつけたところで「結局なにも変わらないじゃないか」と人々が気づいて反省するのか、このまま悪い方向にもっと進んでしまうのか、日本も大きな分岐点に立っていると思います。