モニュメントに刻んだ「直接死」の父「遠因死」の母

2000年に神戸・三宮の東遊園地に「慰霊と復興のモニュメント」が誕生。直接死の父・金宏さんの名前が刻まれた。

その3年後の2003年、直接死や災害関連死とは認められていないが、震災の影響を受けて亡くなったと遺族が考える「遠因死」の故人の名前も掲げられるようになると、山下さんは迷わず申し込んだ。

(山下准史さん)
「あの日がなければ、父も母も生きていたのは一緒でしょうし、そういう意味では、震災の影響というか、震災で亡くなったというのは間違いないと思っています」
「“父と一緒にいたかった” 母にはずっとそういう思いがあったはずなので、あの空間に一緒に名前を貼らせていただくというのは、母の思いに応えることにもなるのかなという思いもありました。自分自身がやれることのひとつができたかなと…」

2025年1月17日早朝の山下さん

山下さんは、いまでも毎年1月17日の早朝にはモニュメントを訪れ、両親の銘板の前で手を合わせる。