憧れの先輩との自主トレで「自分を変えていきたい」

今オフ、自主トレを行っているのは去年11月にオープンしたばかりで菊池がプロデュースした岩手・花巻市の施設「King of the Hill」。動作解析ができる最新鋭の機材が揃うなど、こだわりが詰まっている全天候型複合野球施設だ。

この場所で、憧れの先輩と過ごす時間は高橋にとって、願ってもない一時。ともに過ごす時間のなかで、高橋は菊池から、日常生活の些細なことも野球につながるとアドバイスを受けた。

高橋:首がちょっと前に出ちゃうんですよ。

菊池:(スマートフォンなどの)デバイスとか触る時も、絶対にこの位置が長くなる(首が出る姿勢)からなるべく寝ながら打つとか、仰向けで打つとか。本読むときも・・・本読まないかもしれないや(笑)

高橋:(読まずに)聞くほうです(笑)

菊池:24時間(野球に)繋がってますから。

高橋:気を付けます。

菊池雄星投手(左)と髙橋光成投手(右)

菊池:その靴下なんなの?

高橋:これはエンゼルスです、トラウトです。よろしくお伝えください。(トラウトの靴下)履いてますって(笑)

菊池:あっ、はい(笑)

髙橋が履いてきたエンゼルスの靴下

6シーズンで3度のMVPを受賞し今季からエンゼルスで同僚となるマイク・トラウト(33)が描かれた派手な靴下を履く高橋の姿に笑顔を見せた菊池。可愛いがってきた後輩がもがき苦しむ姿を見て、伝えたいことがあった。

菊池:決して一緒に練習ができる10日間とか2週間の間で野球が上手くなるってことないと思うんですよ。ですから目標を持たせてあげたりとか、取り組み方とか考え方を僕の伝えられる範囲内で伝えて、あとは本人が頑張る。そのきっかけを与えたいなとは思ってます。

高橋:雄星さんを本当にリスペクトしてて。同じ空間で練習をさせてもらえるっていう経験はなかなかないので、そういう環境に触れて自分を変えていきたいなっていう気持ちはあります。

高橋は今季の復活へ向けた大きな目標と覚悟を口にした。

高橋:22勝0敗・・・そしたら元取れるんで。でもそれぐらい今年は働きたいですね。働くっていう表現はあれですけどチームに貢献したいですし、僕自身(今年が)野球人生、プロ野球人生の分岐点だと思うんですよね。本当に勝負の年ですし、すべてを懸けて臨んでいますね。

チームは昨季、球団ワーストとなる91敗で最下位に沈んだ。2019年以来の歓喜を再び味わうために、高橋は復活をかけた戦いに向け腕を振る。

■髙橋光成(たかはし こうな)
1997年2月3日生まれ27歳、群馬県出身。身長190cm・体重105kg 右投右打。
前橋育英高~2014年ドラフト1位指名で西武に入団。
プロ1年目で初勝利。2019年に初めて二桁10勝、2020年には初の規定投球回数到達。2021年は開幕投手にも指名された。2022年はリーグトップの26試合に先発登板して12勝8敗、防御率2.20をマークした。2023年も10勝を挙げ3年連続二桁勝利も、昨季は15試合に先発し0勝11敗と勝利はつかなかった。