前副市長2人が任期途中で異例の退任
しかし今年3月末、明石市役所に激震が走った。和田満副市長と宮脇俊夫副市長が突然退任したのだ。市のナンバー2が任期途中に、しかも2人同時に退任。その理由について泉市長は次のようにコメント。
(泉房穂市長)
「4月1日の新たなスタートにあわせて区切りをつけたいというご趣旨でございましたので。私としては3月末で新しい体制をという理解です。それ以上でも以下でもないで す」
しかし宮脇前副市長は新年度から始まる街づくりの指針の策定など重要政策を担当。このタイミングでの退任は不可解だ。
取材を進めると、ある土地を巡る市長と副市長の確執が浮かび上がってきた。明石市が不動産会社から買収したJR大久保駅南側の土地。退任した宮脇前副市長に話を聞くと、この土地買収の過程で、不動産会社との交渉にあたっていた職員を泉市長が侮辱したという。
(宮脇俊夫前副市長)
「市長が(交渉担当の)総務局長と弁護士課長に『お前ら不動産会社から金もうてんのか』と言ったんです。私はその一言だけは今でも許せない」
副市長が不満を持ったのはこれだけではなかった。
(宮脇俊夫前副市長)
「(泉市長は)『人は金と地位と恐怖でしか動かない』と言う。『特に職員は恐怖で…』と言っていますから」
今年1月、副市長2人はこうした態度を改めるよう辞表を手に泉市長に直談判したという。
(宮脇俊夫前副市長)
「最後、クビをかけて(泉市長と)お話しようかと話をしたら、(泉市長は)『あぁそうですか』で終わってしまった。職員に対する考え方が違うままで、もう耐えられないと思った」
泉市長が説明した「年度替わりの区切り」とは明らかに異なる証言だった。