兵庫県明石市の泉房穂市長は、過去には市職員へのパワハラ発言で辞任に追い込まれた一方で、明石市を子育て世代にアピールして9年連続人口増に導き市民から評価されている。そんな中で今年3月に市長を支える副市長2人が任期途中で異例の退任をした。明石市役所内で一体何が起きていたのか。泉市長を直撃した。

兵庫・明石市で2人の新しい副市長が誕生

 満面の笑みを浮かべる明石市の泉房穂市長。9月27日、2人の新しい副市長が誕生したのだ。実は明石市ではナンバー2の副市長が半年間不在となっていた。一体、何が起きていたのか。

 (泉房穂市長 今年1月)
 「最初にトップ同士が話をしないと実務者の協議に意味はありません。なので当然、斎藤知事と私の協議の場がまず要ります」

 兵庫県知事にも厳しい意見をぶつけ、一回り以上年の離れた井戸敏三前知事とも数々の激論を交わしてきた“モノ言う市長”。

 (泉房穂市長 2020年8月)
 「大阪は頑張っていて兵庫は頑張っていないと、かなり多くの県民がそう思っているのが事実です。県民としての信頼は得られていません」
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 泉市長は東京大学を卒業後、国会議員の秘書や弁護士などを経て、2011年に市長に初当選。11年余りにわたり明石市をけん引してきた。市民に泉市長の印象を聞いた。

 (明石市民)
 「子育て政策はすごくいろいろしてくれていて、すごく助かっているというイメージがあります」
 「言葉は悪いけどすごくやる気のある人だと思います。明石市を良くしてくださっています」

 好意的な意見の背景にはその行政手腕がある。明石市は9年連続で人口が増え、税収は32億円増加(2020年度)。高校3年生までの子どもの医療費や保育料を無料化するなど、子育て世代への手厚い政策が評価されている。

 また、自身のTwitterのフォロワー数が30万人を超えるなど、その人気は破竹の勢いだ。