ウクライナのロシア支配地域で強行されたロシアへの編入を問う“住民投票”。親ロシア側は「9割が賛成」と主張していて、法的な手続きを進めるものとみられます。“住民投票”が行われたルハンシク州の知事が取材に応じ、「ウクライナ人がロシア兵として戦地に送られている」と証言しました。
■“編入9割賛成”も…「茶番でフェイク」「銃突きつけられ投票」

選挙委員
「ドネツク人民共和国のロシアへの編入に賛成しますか?」
男性
「はい」
ロシアへの編入を問う“住民投票”が9月23日から一方的に進められていました。対象は、ウクライナ東部と南部の4つの州のロシア軍が占領している地域。
投票は5日間で終了しました。
タス通信によると、親ロシア派は暫定結果として「4つの州でそれぞれ87~99%が編入に賛成した」と主張しています。
『ドネツク人民共和国』トップ プシ―リン氏
「今日は歴史的な日です。私たちの母国・偉大なロシアと一緒になれるのです」
3つの州の親ロシア派トップは28日、プーチン大統領にロシアへの編入を正式に要請する文書に署名しました。法的な手続きを進めるものとみられます。
私たちの取材に応じたルハンシク州のガイダイ知事は、住民投票は“茶番”だと切り捨てました。

ルハンシク州 ガイダイ知事
「茶番、フェイクとして受け止めています。投票に行かなければクビになると全ての公務員が言われました。(投票は)銃を突きつけられた状態で行われていたことも知っています」
住民に投票を強制しようとする動きは、各地で見られました。
9月24日に公開された、ウクライナ・サポリージャ州の映像。戸別訪問には、銃を持った兵士らしき人物が後ろに控えていたのです。
さらに、ロシアが全域を「制圧」したルハンシク州では、多くのウクライナ人がロシア兵として戦地に送られているといいます。
ルハンシク州 ガイダイ知事
「彼らは皆を連れ去っています。バスに乗せて集合場所まで連れて行き、着替えさせて前線に送るのです。子育て中のシングルファザーを連れ去るケースもありました」