長崎駅をはじめ西九州新幹線の沿線自治体では、駅周辺の再開発が進められていますが、どうすれば新幹線開業とまちづくりの相乗効果を高めることができるのか、参考となる ”他県の事例” を紹介します。
新幹線とまちづくり先行地域の取り組みは?
長崎の暮らし・経済を分かりやすくお伝えする「ウイークリーオピニオン」
今週は新幹線開業に関するテーマです──
【住吉 光 キャスター(以下:住)】
新幹線でまちが変わるというのは、長崎駅周辺の移り変わりを見ていても感じますし、開業日以降の駅の人通りの多さを見るとより実感がわきました。
【平家達史NBC論説委員(以下:平)】
まずは長崎駅周辺の今後の再開発計画について振り返ります。
■ 変わるJR長崎駅周辺

西九州新幹線の開業で日本最西端の新幹線駅となったJR長崎駅。
駅の東側では来年秋に開業予定の新しい駅ビルの建設が急ピッチで進められています。

新しい駅ビルは地上13階建てで、商業施設やオフィスのほか外資系で九州初進出の「マリオットホテル」が入ることになっています。


また周辺の空間も新たに整備され、2025年には駅ビルに隣接する新かもめ広場と国道の間に多目的広場が完成する予定です。
【住】僕が4年前にNBCに入社した頃と比べると見違えるような駅になりましたし、これからさらに開発が進むということで、県外の人にも自慢できる駅になりそうだと感じているのですが…。
■ 駅周辺の”交通結節” 富山駅では…
【平】そうですね。しかしまだ改善できる余地がないわけではないんです。
今日は駅周辺の「交通」について先行地域の例を上げながら考えてみたいと思います。
今回ご紹介するのは北陸新幹線です。

こちらが路線図です。長野から石川県の金沢までの区間で2015年に開業しました。
【住】北陸は ”東京と直結” していますから開業後、地域の賑わいがかなり増したような印象があります。
【平】そうですね、東京とつながっていますから、黙っていても首都圏から観光客が新幹線に乗ってやってくるわけです。

ですが、沿線の各駅ではそれに甘んじることなく、いかに”交通の利便性を高め”て ”ストレスなく観光を楽しんでもらうか” という工夫が随所に見られるんですね。
まずは駅とまちなかをつなぐ『交通結節』については、富山駅を例にあげたいと思います。