「『重症化を防げた』と捉えて」 ワクチンは“感染を防ぐものではない”

良原キャスター:
そもそもワクチンはどういう働きをするものなのでしょうか。
ひなた在宅クリニック山王の田代和馬院長によると、ワクチンを接種すると、細胞へのウイルスの侵入を防ぐ「抗体」ができます。そして、ウイルスの増殖を抑える「免疫システム」もできます。
2段階で防御するイメージです。感染を防ぐというわけではなく、脳炎や肺炎など重症化を防ぐことが期待できるものになります。

ワクチンを打っていても、高熱が出るのは免疫システムが働いているからだそうです。
ひなた在宅クリニック山王 田代和馬 院長
「ワクチンを接種していても、侵入したウイルス量が多い場合などは、高熱が出ることもある」
井上キャスター:
ワクチンはあくまでも重症化予防で、打つ・打たないは個人の判断によりますが、「40度くらいの高熱に収まった」と考えることができるわけですか。ワクチンを打っていなかったら、もっと重症化するリスクがあったと?
ひなた在宅クリニック山王 田代和馬 院長:
ある意味、熱の高さより、インフルエンザウイルスと戦えていること、免疫応答を起こせているということなんですよね。
症状は人によっても様々で、軽い倦怠感で済む人もいれば、高熱が出てしまう人もいます。
ただ、それがワクチンを打った意味がなかったというわけではなく、ある意味で40度出たけれども、「それ以上重症化することを防げた」と捉えていただくといいかなと思います。
ホラン千秋キャスター:
時間を作って、痛い思いをしてワクチンを接種したのに、それでも罹ったら、ちょっと損した気分になる人もいるかもしれません。ただ、もっとひどくなっていた可能性があるかもしれないと思うと、意味はあるわけですよね。

オンライン直売所「食べチョク」秋元里奈 代表:
病院に行く判断も難しいと思います。例えば、微熱のときは、判断が難しい気がしているのですが、病院に行く目安みたいなものはありますか。
ひなた在宅クリニック山王 田代和馬 院長:
実は、インフルエンザのシーズンに熱が出たからといって、全員受診した方がいいという情報発信はしていません。
ある程度、健康な若い人で、発熱があっても、食事がとれて、水も飲めて、意識もしっかりしているということであれば、様子を見ていただくというのも一つの手ではあります。
とはいえ、不安になると思います。体調があまりにもしんどく、という場合に病院にかかるのは仕方がないかなと思います。寒い中、すごく無理をしてまで、全員が病院に行けばいいというわけでもないと思います。
ホランキャスター:
病院に行って、別の感染症などに罹ってしまう可能性もありますよね。
ひなた在宅クリニック山王 田代和馬 院長:
本当にこの時期はよくあって、風邪で受診をして良くなったけれども、その後また熱が出てきて、調べたらインフルエンザだったという人もいます。