
フォントを生み出してきたのは、会長・坂口茂樹さんの父・綱紀栄泉さんです。人気アニメ・鬼滅の刃や、ドラマ、食品包装など、さまざまな場面で使われてきました。
もともとは看板店を経営していた栄泉さん。開業したのは昭和35年=1960年です。そのころ、日本は高度経済成長期の真っ只中。東京オリンピックの聖火リレーに鹿児島も沸きました。

まちは活気にあふれ、テレビ、洗濯機、冷蔵庫が「三種の神器」として家庭に普及。70年代にかけて、団地の開発や交通網の整備も進みます。
暮らしが便利になり、デザインや看板制作にコンピューターが導入され、手描きの業者が次第に廃業。そうした中、「栄泉さんの筆文字を後世へ残したい」と、茂樹さんが始めたのがフォント事業です。