日本への影響や対策は? 専門家はー

日本医科大学 北村義浩教授:
(ヒトメタニューモウイルスは)中国で今インフルエンザに次いで流行っている呼吸器の感染症です。
ただ、増えているけれど従来と同じと思っていいのではないかと私は思っています。

恵俊彰:
北村先生、10歳ぐらいまでに大半の人が一度は感染するという情報もありましたけれども、我々はみんなかかっていた可能性があるんですか?

日本医科大学 北村義浩教授:
そうなんです。私も恵さんもかかって免疫を持ってるはずなんですが、残念ながら理由はわからないんですが免疫がとても弱くなってしまいます。
例えばおじいちゃんがちょっと咳をしてるお孫さんを抱っこしているとまた同じようにかかるということはあると思います。

恵俊彰:
またPCR検査など、何か検査をやるんですか?

日本医科大学 北村義浩教授:
鼻を綿棒でぬぐって抗原検査もできますし、PCR検査もできます。
ただ一般的には、よほど特別な事情がない限り近所のクリニックあるいは小児科の先生が「ヒトメタニューモウイルスの検査をしましょうか」とは言わないと思います。

恵俊彰:
我々はどういう意識を持っていればいいんですか?
「日本でも流行ったら心配だ」なのか、「通常の手洗いうがいなどをしっかりしていれば大丈夫」と考えればいいのか。

日本医科大学 北村義浩教授:
後者の方ですね。手洗いうがい、人混みに出かけるときにはマスク、調子の悪い方は可能であれば外出を控えて皆さんにうつさないようにする。今まで通りにやっていただければいいと思います。

恵俊彰:
だとしたら、中国でインフルエンザやマイコプラズマ肺炎に並んでニュースになっている理由は何なんですか?

日本医科大学 北村義浩教授:
おそらく急に増えてきたということと、季節性がちょっと違うんですね。
ヒトメタニューモウイルスは本来は3月~5月といった春に流行るウイルスなので、ひょっとしたら新しい性質が入ったいわゆる変異株みたいなものが流行っている可能性は否定できない。そのあたりを中国の研究者が早く情報をくださると嬉しいなと思っています。

恵俊彰:
普段流行る時期ではない時期に流行っているから、これが一つのニュースになっているということなんですね。
我々にとってはこれはもう風邪っていうことですか?

日本医科大学 北村義浩教授:
風邪です。9割以上の方は放っておいても治ると思います。
1割ぐらいの方はちょっと寝込んでしまう。あるいは乳幼児、特に1、2歳ぐらいの小さいお子さんだと入院に近いような肺炎状態になることもあります。
高齢者の方は、ちょっとまだ研究が行われていないので、どのくらい怖いウイルスかは実はまだわからないんですね。

恵俊彰:
今日から学校が始まるところも多いと思いますけれども、感染症がいろいろ流行っているので皆さん気をつけてください。

(ひるおび 2025年1月8日放送より)
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<プロフィール>
北村義浩氏
日本医科大学教授
専門は感染症学
国立感染症研究所、中国科学院などで研究に従事