沖縄県名護市は露地栽培の茶畑として日本で一番早い茶摘みができる地域で、県内有数のお茶どころでもあります。

そんな名護市には、今、おいしい紅茶を作っていると全国から注目されているお茶農家があるんです。

仲村アナウンサー
「名護市伊差川にやってきました!緑豊かな山々の間に茶畑が広がっています!」

創業から65年以上続く、金川(かにがわ)製茶。3代目の比嘉猛(たけし)さんと、息子で4代目の竜一(りゅういち)さんは、紅茶の茶葉を栽培しています。


2人が作る紅茶は、国内の優秀な茶農家が出品する「国産紅茶グランプリ」で3連覇を果たし、いま全国から注目されているんです。

特別に紅茶づくりの一連の流れを体験させてもらいました!

仲村アナ「芽は簡単に摂れるんですね!」
竜一さん「新芽はみずみずしいので、簡単に折り曲げるとプチっといい感触で摘ん
     でいけます」

紅茶を作る工程は大まかに4つ。新芽を摘んだあと、しっかりともみほぐし、茶葉に含まれる酵素の働きを促します。そしてしばらく寝かせて発酵。最後に茶葉を炒って発酵を止め、ようやく紅茶として飲める状態になります。実際に頂いてみると。


仲村アナ「すごい香りが立っているのが分かります!すこし渋みもあるかな」
猛さん「自然の中で他の香りがないから余計感じるね」
仲村アナ「たしかに!」

同じ茶葉でも発酵具合によって緑茶から紅茶へと変化しますが、手間が多い分、紅茶のほうが緑茶よりも生産工程に手間がかかります。

半世紀以上緑茶を作っていた金川製茶ですが、紅茶作りに踏み切ったのは、およそ12年前の事。そこにはお茶農家の切実な現実がありました

金川紅茶3代目 比嘉猛さん
「昔のお年寄りは、どの家庭でも急須でお茶を飲んでいましたよね。ところが時代が変わるにつれて外国から入ってきたコーヒーやらいい飲料が出てきて、お茶の消費が減ってきた」


さらに、寒い場所でうまみ成分が増す性質のある茶葉は、温暖な気候の沖縄で育つと品質が劣るとされ、県外への販路拡大も困難。そこで3代目の猛さんは、若い世代への売り上げも見込める紅茶づくりを30年にわたって研究しました。

金川紅茶3代目 比嘉猛さん
「どんな茶葉でも紅茶はできるんですよ、発酵すれば。売れる紅茶をということでいろんな品種で取り組んだけど、実は持っている品種では本当にいい紅茶っていうのはできなかった」