シロエビの漁場で…

富山湾の複数か所で発生したとされる海底地すべり。

12月、海上保安庁の調査で海底地すべりが起きた新たな場所が見つかりました。

庄川と小矢部川の河口沖で、南北に3キロ、東西に500メートルに渡って地すべりが発生。地震前よりも最大10メートルほど深くなっていることがわかりました。

新たに見つかった場所はシロエビ漁の漁場となっていて、新湊漁港に水揚げされるシロエビのほとんどはこの場所でとられています。

大きな河川の河口部の沖合いで、深く切れ込んだ海域を好むシロエビ。今回の地震で地すべりが発生し、その海域からシロエビがいなくなったとみられます。

シロエビについて調べている県水産研究所の研究員は――

富山県水産研究所 三箇真弘さん
「海底地すべりによって舞い上がった土砂を避けて沖に分散したり、舞い上がった土砂を微生物などが分解して海の中が貧酸素な状態になったことによって、シロエビがそういった環境を避けた可能性が考えられると思います」
記者
「シロエビが土砂に埋もれた可能性は?」
富山県水産研究所 三箇真弘さん
「シロエビは海の中を泳ぐようなエビで、甘エビと違ってずっと海底にいるわけではないので、海の中を漂うようなエビなので埋まった可能性は低い」

神通川の河口沖にあるシロエビの漁場でも海底地すべりが確認されました。

前年比65%減というシロエビの記録的な不漁。

漁獲量の9割を占める2つの漁場が海底地すべりで崩壊したことが原因だったとわかってきました。