■警察が警備のイベント 市民団体は「アイヌ差別やめろ」

白石区民センターシュプレヒコール(11月15日)
「アイヌヘイトやめろ。差別をやめろ」


一方、札幌市ではアイヌをテーマに開かれたイベントに対し、市民団体らが抗議の声をあげました。

大臣がウポポイを視察する1週間前、札幌市の施設「白石区民センター」で開かれたイベントに多くの警察官が動員されました。

「講演会&パネル展」。具体的なタイトルのないイベントのチラシには「アイヌ副読本教材を検証」「小中学生の父兄同伴大歓迎」と書かれていました。

イベントを開いたのは、日本会議北海道本部など保守系の団体。

会場にはアイヌの同化を進め、その後廃止された「北海道旧土人保護法」を称賛したり、アイヌが「先住民族」であることに疑問を呈するようなパネルが並べられました。

会場の外では、こうした内容がアイヌへの差別にあたるとして市民団体らが抗議の声をあげました。

抗議のシュプレヒコール
「アイヌヘイトやめろ。差別をやめろ」

抗議に参加した国立民族学博物館 マーク ウィンチェスター助教
「アイヌの間違った歴史間違った解釈を子どもたちに教え込むという趣旨で、講演会が行われている。そうした歪曲された歴史、間違った歴史を聞いた子どもたちがそれをもって、もしかしてその子どもの学校に、同じ学級にアイヌの子どもがいるかもしれない。アイヌの子どもに対してその子どもたちが、今度どう思うか」


抗議に参加したアイヌの男性
「『アイヌってずるなんじゃないの?いないんだからないんだからそんなのずるなんじゃないの』『偽物なんじゃないの』という風潮が広まると、アイヌである当事者のどもとかが『うちはそんな偽物ものなんだ』みたいなふうに、自分のアイデンティティを否定してしまう結果につながってしまうし、許されるべきではない」


講演会では、講師らが道内の小中学校で配布される教材「アイヌ副読本」について、北海道の土地を「アイヌの人たちにことわりなく、一方的に日本の一部にした」との記述には、問題があるなどと指摘しました。