娘を殺害された母「事件当時の事を思い出さない日はない」

娘を殺害された母親(50代)
「亡くなったあとに、娘がよく兄の自慢をしていたと聞きました。『よくお兄ちゃんの自慢をしている、お母さんに感謝している』とか。ものすごく私たちのことをよく言ってくれていたと後から知りました。
毎日毎日事件当時の事を思い出さない日はありません。
パトカーなどのサイレンの音を聞くと、その時の光景が浮かんで感情がよみがえってきて、精神科の先生からはフラッシュバックと言われました。今も薬が手放せません」

母親は女性と女性の兄と3人家族。代理人弁護士から事件の区切りはついたか聞かれると、「つくわけありません」と、答えた。

「娘の冷たい体に触れた時の手の感覚、今も残っている」 元少年に心情伝えたが・・・

母親は、民事裁判と並行して、被害者の心情などを加害者に伝える「心情等伝達制度」を利用した。

加害者の反省の情を深めたり、被害者の心情の整理を図ったりするため、2023年12月に始まった制度だ。

自身が犯した罪の重さやどんな子を殺したかということを理解してほしいと、担当官を通じて思いを伝えた。

許せない気持ちがあること、夢や希望を奪われ人生を崩されたこと。
どうして娘はこんな事件に巻き込まれなければならなかったのか、事件当日に娘が出かけることを引き留められなかったのか今も後悔していること。
事件当日に警察から娘のことについて聞かされた時の声、今も耳や手に残る、パトカーや救急車のサイレンの音、娘の冷たい体に触れた時の手の感覚。

そして、元少年にいくつかの質問をした。

しかし、およそ10日後に返ってきた回答には、信じられない言葉が並んでいたという。