【薬不足の理由2】薬の「増産」の難しさ

 また、薬の「増産の難しさ」も薬不足の背景にあるようです。薬を作るにあたっては、生産の“設計図”である「手順書」を厚生労働省に提出する必要があり、その「手順書」通りに薬を作らなければなりません。ただ、増産の際には製造プロセスの変更が必要となることもあり、その場合、「手順書」の改訂に非常に手間がかかため、薬が不足しているからといって簡単に増産できないということです。

 そもそも薬の増産には高い技術力が必要で、整髪料や化粧品の増産とはレベルが違うと坂巻氏は指摘。無理な増産を求めると、不正・不祥事につながるリスクもあるかもしれません。