維新内部にも走った「激震」


 一方、維新内にも激震が走っていた。維新幹部によると、立憲との"共闘"と報道されてから党本部には支援者から批判的な電話が多く寄せられているという。「支援者からは選挙協力をするのか?とお叱りの電話が多くきていて対応に追われている」また別の党関係者はこう口にする。「突然のことでした。会談の後、遠藤国対委員長から興奮気味に電話が来て、そこで初めて知りました」この党関係者は、今回の急接近の背景には、代表が変わった影響もあるのではと指摘する。

 「立憲共産は野合談合の選挙互助会だ!と他党を痛烈に批判してきた松井氏の手法は、蛮族的でした。あれがいいという人もいるのでしょうが、僕は協力できるところは他党と協力するべきだと思います。馬場さんに代表が変わり、蛮族から文化人に変わるチャンスなんじゃないですか?」

 一方で立憲と関係が近くなることについては「個人レベルでは仲がいい人もいますし、すごいなと思う人もいます。ただ立憲という集団になると途端に...ですよね」との意見もあった。

あいかわらずの「水と油」も‥

日本維新の会・前代表 松井一郎氏(左)と立憲民主党 泉健太代表(右)

 今回の共闘はあくまで「6項目」に限った内容だが、“選挙協力”について問われた維新の前代表・松井一郎氏は「あれだけ立憲・共産の政策を横においた“野合談合選挙補助会”を批判してきたんだから。今の馬場代表執行部でまさかそんなこと(立憲との選挙協力)やれば吹っ飛ぶでしょうね。そういうことになれば、一有権者、一国民として大批判キャンペーンやります」と、選挙協力には否定的な考えを示した。

 一方、立憲民主党の泉代表も会見で「大阪の松井さんの発言っていうのは、引退間近で、ちょっと“老害的な発言”だなと思いますね。今になって怪気炎を上げる必要はないのかなと思います」と松井氏の発言をけん制するなど「水と油」を彷彿とさせるやり取りも見られる。

 10月3日に召集される見通しの臨時国会。立憲と維新の「共闘」がうまく機能するのかどうか…冒頭から波乱含みの展開となりそうだ。

毎日放送東京報道部 三澤肇/尾藤貴裕