「普通じゃない」ことが幸せなんじゃないだろうか

原田大二郎さんは、RSK山陽放送が制作し、筆者が出演した映画「新居浜ひかり物語 青いライオン」にも思いを寄せてくれました。

ー映画は、画家・石村嘉成さんが幼いころ自閉症と診断され、母・有希子さんと懸命に療育の日々を歩み、才能を開花させるまでをドラマとドキュメンタリーで描いています。

(原田大二郎さん)
「僕の子どもも学習障害を持っています。時間やおカネの勘定が苦手なんです。でも彼は一生懸命生きています。そして、愛情にあふれた周りの人のおかげで幸せそうです。『普通の子として育てたい』と、思って育てました。でも、そういう子は、きっと『普通じゃない』ことが幸せなんじゃないだろうか。映画を見ながら、そんなことを考えました」

ーこの映画は、自閉症の当事者やご家族がご覧になっても違和感を感じない描き方をしたいという思いで、監督もカメラマンも筆者をはじめとする出演者も、とにかくチーム全員が悩みながら制作しました。

(原田大二郎さん)
「悩むということはいいことですよ。悩まなかった作品は、何ひとつ記憶に残っていないですから。批判するのは簡単。だけど、ゼロから生み出すのは本当に大変な作業なんだよね。だから、敬意を表したいと思います」

長年、映画や舞台、テレビで大活躍してきた俳優・原田大二郎さんは、穏やかにそう言って、労ってくれました。

原田大二郎さんと筆者(「青いライオン」で石村嘉成さんの母・有希子さんを演じる)