集会場に響くK-POP、一緒に歌う場面も
もうひとつ2016年の集会と大きく異なっていたのが、集会場で流されていた歌だ。今回は、最近流行しているK-POPが流れ、参加者らが合唱したり、踊ったりする姿もみられた。韓国のガールズグループBLACKPINKのメンバー・ロゼさんと世界的な人気歌手、ブルーノ・マーズさんが歌った「APT.」。Youtubeでの再生回数が約6億回(2024年12月13日現在)を突破する大ヒット曲だが、その曲が集会場に流れると参加者らはろうそくやペンライトを振りながら大きな声で歌い始めて、まるでライブ会場を彷彿させていて、「祭りのような集会」との指摘もある。
集会場雰囲気変化の背景にあるのは若い世代の参加

今回の集会と2016年の集会と雰囲気が大きく変わったことに、韓国メディアは参加者の年齢層に注目した。集会に参加したのは20代・30代といった若い層だったとし、ろうそくではなく集会場にペンライトを持ち込んだことについては「若者たちにとって馴染みのあるもの」と紹介。「以前は厳粛な雰囲気を大事にしていたが、みんなで楽しめる集会を作ろうとした結果」と、“祭りのような集会”になった理由を分析した。
変化した大統領弾劾を求める集会について、韓国のSNSでは「楽しい方が参加しやすい」などと若い人たちの参加が増えたことを歓迎するような投稿が相次いだ一方、「集会場は遊び場ではない」と批判する声もあがっている。
尹大統領の弾劾を求める集会が毎日のように行われているなか、韓国のフリマアプリでは集会に持っていくためのペンライトを求める声が相次いでいて、集会で光る、アイドル応援グッズのペンライトの数はさらに増えそうだ。

金美京(きむ・みぎょん)
TBSテレビ 報道局外信部
2018年入社。情報番組「あさチャン!」のディレクターを経て、現在は外信部の記者として脱北者問題など朝鮮半島情勢を取材。(アイドルデビューを目指す脱北者の取材も)大学院で松尾芭蕉を中心に「恋」をテーマにした俳諧(≓俳句)の研究をしていた。