こうした中、いじめを受けた生徒は2023年1月末、学校の養護教諭に不眠症や転校したいという思いを訴え、2月には医療機関を受診、「専門医療機関での治療を要する状態」と診断されました。

被害生徒は2023年3月、代理人弁護士を通じ学校に診断書を提出、担任教諭と学期末の面談時に、いじめに関係する生徒の名前をあげて訴えたといいます。

こうしたことを受け学校は2023年3月末、いじめの重大事態と判断し、島根県教育委員会に重大事態発生報告書を提出しました。

島根県教育委員会は2023年6月から2024年3月の期間、専門委員による生徒や学校への調査を行い、
「2022年6月に実施したアンケートへの学校の対応が不十分であったこと」
「生徒の心身に深刻な苦痛を与える内容の動画の拡散を学校が『いじめ』として捉えてなかったこと」
「学校の組織的な対応により、『いじめ』が解消されなかったこと」
がいじめの重大事態にいたった要因としました。

いじめを受けた生徒は現在、別の高校に通っているといいます。

島根県教育委員会は、「生徒が転学をすることになり、志を持って入学した高校を卒業できなくなるという、取り返しのつかない事態を招いた当事案の重さを真摯に受け止め、すべての教職員の人権意識や学校指導体制を見直し、点検と改革を進めていく」としています。

島根県教育委員会によると2023年度、島根県内の公立学校では、7件のいじめの重大事態に該当する事案が発生しているということです。