「103万円の壁」について広島の声は?

「103万円の壁」について広島の街の声は…。
大学2年生 飲食店アルバイト
「親に年収の壁を超えて働かないようにと言われている。壁がなくなってシフトに入れる人が多くなるんだったらいい。留学費なども稼ぎやすくなる」
子育て世代
「103万円の壁はなくなった方が扶養に入る場合は働きやすくなる」
妻が扶養内で働く夫婦
妻「壁を引き上げてくれたら私ももう少し稼げるようになるので助かる」
夫「新しい税制と従来の税制も一長一短あると思うので、自分たちの働き方をそこに合わせていくしかない」
ビジネスマンや観光客でにぎわう「廣島中華そば我馬 ekie店」です。

毎年、繁忙期の12月にスタッフの多くが「103万円の壁」に直面しています。
学生アルバイト
「親に103万円だけは絶対に超えてはいけないと強く言われている。計算しながらシフトを入れている。給与明細を見て計算して『残りいくら』か考える。扶養控除がギリギリな人はみんなそんな感じ」
学生アルバイトの森中未侑さんもその1人です。海外留学の資金を貯めるため、働いていて、外国人観光客の来店にもスムーズに対応します。
森中未侑さん(学生アルバイト)
「英語でコミュニケーションを取れるのがうれしい。接客は楽しい。いろんな人とつながれる」
森中未侑さん(学生アルバイト)
「お味はどうですか?」
外国人観光客
「とてもおいしい」
森中さんは普段のシフトで人手不足を感じることもあるといいます。

森中未侑さん(学生アルバイト)
「最低賃金が昔より上がっているのに『103万円の壁』だけ変わらないとなると働ける時間は短くなってしまう。時給を上げた分くらいは、上限が上がるといいなと思う。できれば自分が学生のうちに制度が整ってくれたらいい」
店側も早期の「壁」見直しを望んでいます。
廣島中華そば我馬 ekie店 店長
「人手が足りていないところをだましだましやっているのが現状。飲食店関係者と情報交換をすると同じような悩みをみんな持っている。できるだけ早く決着をつけてもらいたい」

「年収の壁」の見直しに好意的な意見がある一方で、税収の減少を危惧する声も挙がっています。
国は「103万の壁」を178万円に引き上げた場合、地方の住民税が4兆円程度減収になると試算。
広島県全体では住民税がおよそ804億円減収になると見込んでいます。
広島県 湯崎英彦知事
「もし我々に財源問題で『地方も負担せよ』というのであれ地方がその意思決定に関与しなければおかしい。国だけで決めるのではなくて…」
石破内閣が大きく舵を切った「103万円の壁」の引き上げ。税収の減少などの諸課題にどう対応するのか今後の議論が注目されます。