青森県内で唯一、コンブの養殖に使う「種糸」を生産している階上町の施設で、今年度初めての出荷が行なわれました。コンブの養殖は近年需要が高まり、種糸の出荷も今年度が過去最高となる見込みです。

コンブの養殖では、発芽した胞子が付着した種糸を冬場から春にかけて海で養殖し、出荷します。

階上町にある県栽培漁業振興協会では県内で唯一、コンブの種糸を生産しています。

今年度の初出荷となる11日は、約300mの種糸を兵庫県と広島県へ発送していて、協会では来年2月上旬までに1万3000メートルの種糸を出荷する予定です。

県栽培漁業振興協会 二木幸彦 理事
「以前、コンブの養殖は主に食用でしたが、近年はウニ、アワビのエサとしての効果、魚類の育成場としての役割、さらに二酸化炭素を吸収する役割への期待が高まっています」

国内では近年、海水の温度が上昇したことで天然のコンブが減っていて、コンブをエサとするウニやアワビの漁獲量も減少しています。

このため、種糸の需要は高まり、出荷も今年度が過去最高となる見込みです。