救護所で力なく横たわる母と娘

フィルムはある親子の姿が捉えられていました。

竹内ヨ子コ(よねこ)さん(当時31歳)と、その横に横たわる髪の毛が抜けた少女は、当時12歳だった娘の陽子さんです。

陽子さんは、爆心から1キロの自宅で被爆し、倒れてきた冷蔵庫で大ケガをしていました。その後、頭髪が抜けるようになりました。

母親のヨ子コ(よねこ)さんは無傷でしたが、ひと月後に発病したといいます。

2人とも、放射線による影響だとみられます。看病していたのは、長男の信之さんです。1995年、私たちの取材を受けてくれました。

竹内信之さん(1995年取材)
「治ると思っとったけぇね。外傷がないからお母さんは。大丈夫じゃ思っとんだんじゃけど…」