「自分たちにできる平和の訴え方を」

あれから79年が過ぎ、大芝小学校には、元気な子どもたちの声が響きます。学校の社会科資料室には、小学校が救護所だったことがうかがえる資料も残っています。

来年100周年を迎える大芝小学校。それを機に、子どもたちが学校や地域の歴史を調べています。この日も、5年生の児童が社会科資料室に来て、原爆の被害について調べていました。

大芝小学校 粟村美苗校長
「いま子どもたちが楽しいと思えること、地域の自慢がいっぱいあるということは、平和だからこそ。大芝小学校の歴史を知った上で、自分たちにできる平和の大切さの訴え方を、広めていってくれたら」

ヒロシマの記録は、次の世代へと紡がれていっています。

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放射線の被害は、いまもなお被爆者の体を蝕み続けています。日本被団協の代表委員を務めた故・坪井直さんは「原爆の最大の被害は、たとえ生き残っても精神的そして身体的な人間破壊が生涯続くことだ」と訴えていました。

授賞式に出席した日本被団協のメンバーもまた、放射線の被害に苦しめられています。

原子爆弾、核兵器は、1発で街を破壊する「ただ威力が大きい爆弾ではない」。そのこともまた、伝え続けていかなくてはいけません。