トランプ新政権で、日本株はどうなる!?

――――ここまではアメリカについて見てきたが、一方、2024年の日本株を見ていく。
ニッセイ基礎研究所 井出真吾 氏:
前半は良かったが、改めて見ると、8月5日が一番安かった。3万1400円台で、明らかに売られすぎだった。しかしその後、ここ数か月もたついている。ダウ平均株価はもう4万5000ドルぐらいまでいっている。だいぶ出遅れ感も出てきた。企業の業績見通しがすごい慎重。それが株価の上値を重くしている一つの要因だ。もちろんここ最近円高に動いてきたのもあると思う。
ただ日本企業の業績の実態はそれほど悪くないと思う。企業側は慎重な見通しを出しているが、アナリストの予想では、2024年度も増益。5期連続の過去最高益更新が見込まれている。ということは、2025年の春ぐらいには「結局、増益で24年度も終わる」というのが見えてくる。そうなると、日経平均もいよいよ4万円回復。もう少し待たされるかもしれないが、仮にアメリカ株で大きめの調整があれば、当然付き合わなければならない。そういう場面あるかもしれないが、2025年の前半で4万円に回復すると思っている。
――――その後、トランプ次期大統領の関税の話が出てきた場合はまた下がったりする可能性もあるのか。
ニッセイ基礎研究所 井出真吾 氏:
3万5000円ぐらいまでは、いつ下がってもおかしくないと思う。長期投資だったら、もう1回ここ(一番底の8月5日)になってほしいと思いませんか?なんならもう明後日ここまで下がってくれたら喜んで買う。急落を1回経験すると、免疫力がつく。「ここで売らなくて良かった。次同じようなことが起きたときにも、別に売らなくていいんだろうな」と。投資はある程度経験・慣れが必要だ。
――――今年から新NISAで投資を始めた人も一度、底値を経験して戻ってきているので、次に急落が来ても慌てる必要はないと。「長期投資」でちゃんと握っていることが大事。

ニッセイ基礎研究所 井出真吾 氏:
為替も2025年はやはり変動率、ボラティリティが高くなると思う。足元「日銀が12月にも利上げするのでは、FRBも12月利下げするのでは」という見方が強まって、少し円高に動いている。155円は、若干円安に振れすぎていた。今週、為替の専門家の方に話をする機会があったが、その人も目先もう少し円高あり得ると。145円ぐらいまではあるかもしれないが、トランプ政策が進むにつれて、また円安方向、ドル高円安方向にじりじりと…と言っても一方向ではなく、乱高下しながら円安方向だろうと言っていた。自分もそうだと思う。やはりアメリカが強くなる。場合によってはドルの金利が上がっていくことになれば、やはりドル高。そうすると日本株も悪くはない。
――――日本株には円安の方が企業にとってはプラスになる可能性もある。
ニッセイ基礎研究所 井出真吾 氏:
そうなると2025年度も過去最高益更新。3%、5%だと思うが、最高益更新が見込まれるように、2025年の春にはなってくる。いよいよ日経平均も4万円に回復しやすくなる。