セレモニーの裏で…東証のおもてなしの数々

まずはセレモニーで使用された、会社名入りの木槌だ。

実はこれ、東証が上場企業のために特別に用意しているもの。セレモニーに使われた後は、記念品として企業にプレゼントされる。見学者用に展示されている木槌を持ってみたが、かなりずっしり。立派な木槌である。(担当者の方にダメ元で値段を伺ったが…ダメでした。そりゃそうです)

この粋なプレゼントは、企業にも大好評。ネットで「東証 上場 木槌」と検索してみると、様々な上場企業がセレモニー後も社内で大切に飾っている写真が出てくる。

ほかにも、記念撮影時に社員たちの胸元を彩った赤いバラ。木槌のようにプレゼント、というわけにはいかないが、これも東証側が貸出用に用意したものだ。

上場セレモニー 担当者
「”セレモニーらしさ” を演出させていただいている。赤いバラをつけていただいた方が『セレモニーが始まるな』って感じていただけるのかなと」

ちなみに東証の職員の胸にも白いバラがつけられているが、参加者がつけている赤いバラのほうが“本物らしく”見えるよう、高級感を大事に作っているという。雰囲気にもこだわって作ったというバラのコサージュはたしかに、この祝いの場を美しく引き締めてくれていたように感じた。

”ひとつひとつ丁寧に” こだわりのおもてなしのワケ

司会にカメラマン、通知書に加え、立派な木槌やコサージュも…。東証側の気合が伝わるセレモニーだが、実はすべて無償でやっているという。

上場セレモニー 担当者
「思い出に残るようなセレモニーにするために、ひとつひとつ丁寧におもてなしさせていただいています。みなさま色々ご苦労があって上場されていると思いますので、その記念すべき日に鐘を叩いていただき、みなさまで上場の喜びを分かち合っていただけたら」

「閉館後にこっそり鐘を叩いたことは…?」と聞いてみたが…

「とんでもない。上場するからこそ叩けるものなので」

たくさんの苦労を乗り越えた先にある、会社関係者全員にとっての記念すべき日。そんな1日を演出すべく、きょうも東証では鐘が鳴る。