斎藤前知事 再選のワケは「SNS」各世代 投票の理由は

良原キャスター:
出口調査でも10代、20代、30代は6割以上が斎藤氏を支持しています。それより上の世代も斎藤氏を支持している方が多くいる印象を受けます。

【斎藤前知事への投票なぜ?】
20代学生「パワハラとかいろいろ調べたら、あることないこと言われていた。ネットとかYouTubeとかそれも本当かわからないけど、本当っぽいものをしっかり見て考えました

40代主婦友達から送られてきた斎藤さんに関する情報、YouTubeなどを見て投票を決めた」

70代主婦「テレビで一方的なことばっかり言っていたから、地元での演説を聞いて決めました

ホランキャスター:
掲げている政策が自分にとって良いのか悪いのか、評価は人によって変わります。また何が事実として起きていたのか真偽を確かめるのも情報が非常に多く難しいです。

社会学者 日本大学 西田亮介教授:
そうですね。多くの人は『わからない』ということにとどまりにくい。「このように考えたい」「これが真実だと思いたい」そのような動機づけを持っていることにも注意をするべきだと思います。

その一方で、放送の場合、『放送法の規律』と『事業者の表現の自由』のせめぎ合いの中で伝統的に表現が難しいと言われています。そこをうまくネット側に隙を突かれたのか、そういうところがあるのか、かなり確信犯的な介入というのがなされている印象を持っています。

井上キャスター:
今回は単にメディアの敗北という単純な構図ではないと思っています。私個人的にはマスコミがいかに信用、信頼されていないことの一つの表れだと感じています。

今後も加速していくでしょうし、皆さんのご批判も受け止めているのですが、多様なメディアから情報を得て、1人1人が取捨選択していくことはあるべき姿なのではないでしょうか。

社会学者 日本大学 西田亮介教授:
理想ですが、とても難しいことだと思います。テレビの場合は多くの人たちが制作に関わって様々な裏取りがなされています。

一方でネットは特定の政治家や政党が何か言ったとしても、意図的に間違えていたりすることさえあるわけです。しかしそうしたものは「直接自分は見聞きしているからこちらが正しい」と思ってしまうのです。

そのときに、テレビよりも普段見慣れているインフルエンサーやYouTuberの人たちの方を信頼したくなる。その感覚は若い人に限らず多くの世代に広がっている印象を持ちます。

井上キャスター:
若い世代に限らないのですね。今後、選挙のやり方などが変わるかもしれません。この議論を松本市長はどのように見ますか?

松本眞 兵庫県尼崎市長:
ネットにしっかり対応できないと選挙に勝てないという状況が、これからさらに強くなると思います。

選挙は短期決戦です。最終的にはネットの世界もファクトチェックがなされて、デジタルの中での民主主義が起きると思うのですが、ネットの中で一時的にハックのような状況を作ることによって、風を作ることもできるようになってきていますので、短期決戦の中で、それぞれの陣営がきっちり素早く対応できないと厳しくなってくるなと思っております。