そもそも高級魚として知られるマダイは本来、関東から九州にかけて三陸より南の地域が産地となっていて県民にはなじみの薄い魚です。

それが2024年、空前の豊漁を記録したことから、商品の企画がスタートしました。
県水産技術センターによりますと、県内は2000年以降、多くても50トン以下で推移していたマダイの水揚げ量が、2023年およそ66トンに上りました。

さらに2024年は先週の金曜日時点で142トンあまりに達していて、特に5月の1か月間は去年1年間に匹敵する水揚げを記録しました。
今回の商品開発に参加した石山水産の6代目、石山勝貴社長はマダイの商品化は新たなチャレンジの第1弾だと語ります。

(石山水産 石山勝貴社長)
「主要魚種と言われるものは気候変動の影響なのか水揚げ量が落ちていて、それを主力にする商売が三陸の沿岸ではしづらくなってきている。なのでそれ以外のものを開拓していく必要がどんどん出てくる」

石山さんの会社は、山田町の工場でイカをさばく1次加工を事業の主力としてきました。

さらに多角化を図ろうと、8年前に整備した生食向けの加工品を製造する大槌町の工場でおよそ半年かけて今回の商品作りに取り組みました。
マダイの鮮度を保つ秘密は…

(石山社長)
「リキッドフリーザーという液体式の凍結機があって、それを使うと冷凍品ですが生と遜色がない食感と鮮度を保ったままの製品が提供できますので」

刺し身や焼く以外に、マダイをどうすれば食べてもらえるか。
そこで、西日本の食べ方の1つ、「鯛茶漬け」に注目して試作を重ねました。
さらに、天然・マダイの味の良さを引き立たせるために行っているのは…

ガスバーナーで皮をあぶって風味をつける方法です。

(浅田誠さん)
「皮を引いた(剥いだ)ものとあぶったものとを食べ比べをした中で、あぶった方が香ばしさが引き立ってすごくおいしい」

それぞれ家庭で楽しむ工夫もふんだんに盛り込まれています。