船井氏の死去後…外部経営者が社長に 素性の知れない役員も

 2008年、船井氏が社長を退任をします。そして2010年ごろから中国・韓国勢との価格競争に巻き込まれます。2014年~2017年に社長は4度交代しました。さまざまな見方がある中で、船井氏がカリスマ的存在だった故に、なかなか後継者を見つけることができなかったのではないかということも言われています。

 2017年に船井氏が死去すると、創業家は“経営のプロ”である外部の経営者に頼るようになります。これが衰退の物語の始まりなのかもしれません。

 2021年、出版社が船井電機を買収し、上田智一氏が社長に就任しました。この買収については、船井電機にとってリスクの高い買収だったのではないかとも言われています。2023年には大手脱毛サロン会社を買収しますが、翌年には売却しています。

 上田氏は外資系コンサル出身で、創業者・船井氏の仲良しだった人物が連れてきた人だそうです。上田氏は船井電機の上場を廃止していますが、ここにどのような意図があったのかはわかりません。

 そして今年5月、“素性の知れない”役員4人が就任します。東京商工リサーチによりますと、この4人が船井電機と何か関係がある人物なのかがよくわからず、船井電機の社員にとってもどんな人物でなぜ役員になったのかわからないのではないかということです。船井氏が作り上げてきた船井電機から大きく動きが変わったということが言えます。

 9月に上田社長と役員が退任しました。退任の理由は明かされていません。そして10月、従業員約550人が一斉解雇されました。