「年収103万円の壁」の引き上げなどめぐって、国民民主党と自民・公明の各党は、税制に関する協議をスタートさせました。国民民主党の玉木代表が「必死の交渉が始まる」と意気込むなか、大幅な減収が見込まれる地方自治体からは反発の声があがっています。

“秋の味覚”でも「年収の壁」 最盛期に備え“働き控え”

秋の味覚、柿を堪能する石破総理。

Q.お味はいかがでしょうか?

石破総理
「夢中で食べちゃった」

奈良県産の柿が総理に贈られる秋の恒例行事で、総理が一句詠むのがお決まりとなっています。

石破総理
「奈良の柿 郷にも浦にも 茂る秋」

自分の名前を入れた句を披露しました。

イチョウが染まり、深まり始めた秋。もう一つの”秋の味覚”は、さつまいも。

茨城県内の加工会社では、干し芋の生産が最盛期を迎えていました。

幸田商店 鬼澤宏幸社長
「干し芋が最も売れるシーズンを控えて、会社としてはとにかく最大限の生産体制。新年がスタートしたみたいな、干し芋業界にとっては」

人出が必要となるこの時期に備えて社長が進めてきたのが、「年収の壁」を踏まえたパート従業員らの労働時間の調整です。

幸田商店 鬼澤宏幸社長
「年収の壁がある皆さんに対しては、暇な時期、7月・8月、夏場の時期に働くのは抑えて、できるだけ年末の忙しい時期に働いてくださいと。年収の壁のある皆さんは、トータルの年間の時間を減らす」

社長が経営する会社では、年収103万円を超えると所得税がかかる「103万円の壁」のほか、社会保険料の負担が生じる「130万円の壁」に直面していて、この2つの壁に該当するパート従業員が合わせて14人いるといいます。

幸田商店 鬼澤宏幸社長
「(パート従業員らの)働いている時間が、毎年時給が上がることで減ってきてしまっている。壁がなければいくらでも働けますよという声はいくらでも聞いている」

帝国データバンクが全国の約1700社に行った調査では、「103万円の壁」の引き上げに「賛成」と答えた企業は、67.8%に上ったということです。