シリーズSDGs「地球を笑顔にするウイーク」です。パリオリンピック™で水質をめぐり話題となった「セーヌ川」。実は、その水が多くの施設で電力消費の削減に一役買っています。
今年開催されたパリオリンピックで、泳げるのかどうか注目されたセーヌ川のすぐ横に、ある施設が設置されています。
地下から現れたのは、螺旋階段。階段を降り、さらに、エレベーターで地下30メートルへ。
フレシュールドゥパリ マギー・シェルフォーさん
「ここが冷却装置のフロアで、水を冷やす施設の心臓部です」
地下にあったのは「巨大な冷却施設」でした。
この施設から全長およそ100キロにわたってパリ市内の地下に送水管が張り巡らされているといいます。
フレシュールドゥパリ マギー・シェルフォーさん
「パリの建物を涼しくするために冷水を作っています」
こうした冷却施設はパリ市内に複数か所あり、公共施設や美術館の空調設備などから排出され温められた水が送水管を通って送られてきます。
セーヌ川沿いの施設では、温められた水がセーヌ川の冷たい水と接触することで10℃から2℃に冷やされ、再び施設へと戻されています。
このネットワークは、パリ市庁舎やルーブル美術館といった多くの施設が導入していて、冬でもデータセンターの管理や美術品の保存などで冷房が使われています。
フレシュールドゥパリ マギー・シェルフォーさん
「個別で設置された冷却施設の場合、電力を大量に消費するだけではなく、冷媒となる水がより多く使われます。こちらの施設を使えば電力を効率よく使えて、排熱も抑えることができるのです」
パリの中心部にあるプティ・パレ美術館。2500点の美術品を保管していて、年間およそ120万人が訪れています。
記者
「パリの美術館の地下にきています。こちら、巨大なパイプが入り組んでいます。このパイプを使って、セーヌ川の水で冷やされた水がこちらに到達しているということです」
この美術館では24時間、空調が動いていて、排出された温かい水がセーヌ川の水で冷やされ、再び空調として使用されています。
プティ・パレ 建築・安全担当エンジニア ヴァンサン・ロワさん
「美術館の空調は美術品の保存のためだけでなく、温度や気候の変化に対応するため常時使用されます。エコロジーや温室効果ガス排出の観点からも非常にメリットがあります」
送水管は今後20年間で250キロに拡大され、学校や病院にも導入されることになっていて、セーヌ川の水はパリのエコにとって欠かせない存在になっています。
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