▼「年収の壁・支援強化パッケージ」県内では利用はわずか2%
愛媛県にあるシンクタンク・いよぎん地域経済研究センターが県内の企業の約2400社を対象に2024年2月に調査した結果によりますと、「年収の壁・支援強化パッケージ」の利用はわずか2%。
そして、利用する予定がないとしている企業は73.8%と、7割を超えています。
県内で食料品製造を営む企業からは「従業員の約7割を占めるパートタイム労働者のうち、「壁」を超えて就業したい希望があった場合に備えて活用を検討している」と支援パッケージの利用に前向きな意見がある一方、「不公平、時限的措置に過ぎない」といった厳しい声もあります。
また、年収の壁については「年収の壁はゼロにすべき。存在する限り本質的に解決しない。余裕がない家庭ほど年収を稼ぎたいはず。そうした意欲を削ぐ施策は現状に対して適切なものではない」といった、制度そのものに対する意見もありました。
いよぎん地域経済研究センターの菅正也主席研究員は「企業の多くが支援強化パッケージでは抜本的な解決にならないと考えている」とした一方で、パート労働者の就業調整が一部でも解消した場合の効果は、人口減少による市場縮小が進む県内経済にとって小さくないし、将来の労働力不足の観点からも有効な対策の1つとなり得る可能性があると、一定の評価をしています。