■今季はインフルエンザが流行? 長野市で“集団発生”も

さらに、懸念されているのが新型コロナとインフルエンザの同時流行です。

コロナ禍では国内で流行しなかったインフルエンザですが、9月14日、長野市で集団発生が確認されました。集団発生があったのは通所型の児童福祉施設。患者は利用者11人と従事者3人の合わせて14人で、主に発熱やのどの痛みなどの症状があり、重症者はいないということです。

山形アナウンサー:
新型コロナが拡大して以降、毎年のようにインフルエンザとの同時流行が言われています。



2021年9月、厚労省アドバイザリーボードの脇田隆字座長は「2020年に流行していないということは、それだけ免疫が落ちている。(2021、22シーズンに)大流行する可能性もある」と警戒感を示していました。
ただ、実際のインフルエンザ患者報告数を見ると、2021年9月~2022年3月は730人。かなり少なかったように思います。

では、今年はどうなのでしょうか。14日、厚労省アドバイザリーボードの脇田座長は「季節性インフルエンザが例年よりも早く流行が始まる可能性、そしてインフルエンザと新型コロナウイルス感染症の同時流行が懸念される」と話しました。

■南半球・冬のオーストラリアでは…インフルエンザ感染増

日本のインフルエンザの流行予測は、南半球の状況を見て行われます。その南半球にあるオーストラリアは、2021年が598人に対して、2022年の冬(~8月28日)は21万7898人と、かなり増えています。しかも例年より数か月早く流行しているということです。

日本では例年12月ごろからインフルエンザの流行が始まりますが、数か月早いということで、10月にも流行する可能性があるのではないかということです。

ただ、日本とオーストラリアの感染対策の状況は異なっています。例えばマスクについて、オーストラリアは州によって違いがありますが、クイーンズランド州では3月から▼公共交通機関・病院・高齢者施設では義務化がありますが、▼職場・学校・飲食店などではマスクの着用義務が撤廃されています。

一方の日本では、▼屋外で距離が確保できる場合はマスクの必要はありません。ただ、▼屋内では基本的にマスクが推奨されている。

ホランキャスター:
マスクの状況などオーストラリアと日本で違う部分はありますが、2022年のインフルエンザの流行状況はどうなると見ていますか?



倉持院長:
夏にインフルエンザの方が私のクリニックでも見られたので、南半球で流行っているわけですから当然入ってくるのが普通だと思われます。何より問題なのは、ここ3年の間、発熱の患者さんを診る外来が圧倒的に少ない状態のまま今を迎えてしまっているということです。
ですから、オミクロンのコロナのワクチンはもちろんのこと、インフルエンザのワクチンも接種していただきたいですし、今のうちに発熱外来の拡充を何よりも急いでやっていただきたいと思います。

井上キャスター:
この2年半、一部のコロナ対応病院でしのいできたわけですけど、これをなるべく早い段階でかかりつけ医も含めてコロナ患者を受け入れる体制を構築すべきじゃないかという声が出ています。その点についてはどうお考えですか。

倉持院長:
その通りだと思います。特に「コロナじゃないなら受け入れるよ」と分かれば受け入れてくれる医療機関も増えますから、そうであるならばまずはコロナのPCR検査がきちんとできる体制を作って、そして協力してくれる医療機関を募ることが至急必要な対策だと思いますし、それができるかどうかでまた大きなダメージを受けてしまう可能性がありますから、至急必要なことだと思います。