DeNAドラ1・竹田祐投手 30℃超えの暑さと連戦の疲れのなか「鬼気迫る」投球

 試合は、三菱重工Westの狙いどおりに進んでいく。短いイニングで投手を変えながら、6回までNTT西日本打線を抑えると、1点リードのまま7回からは大黒柱の竹田投手をマウンドに送り込んだ。7回、先頭打者にエラーで出塁を許しながらも、闘志あふれる姿で後続を抑える竹田投手。ドラフトで竹田投手を1位指名した横浜DeNAベイスターズの三浦大輔監督が「闘志を前面に、バッターに向かっていく姿勢を評価した」と語ったように、ピンチの場面でも気迫を前面に力強い投球で切り抜けた。

 しかし、NTT西日本の大会出場へかける執念が、竹田投手の一瞬のスキを突く。8回1アウトからフォアボールで出塁したランナーが、バッターを2ストライクと追い込んで投球に集中する竹田投手の裏をかいて盗塁。セカンドを陥れると、3番・山田峻士選手がライト前へ値千金のタイムリーヒット。竹田投手から放った初ヒットが同点のタイムリーとなった。

 それでも、今シーズンのチームを支えてきたエースは9回を3人で抑え、1対1の延長戦に持ち込む。タイブレークにもつれ込んだ10回裏には、味方の攻撃が無得点に終わり1失点も許されない場面で、鬼気迫る表情で相手を無得点に抑え込んだ。そして11回表、エースの力投にようやく打線がこたえる。7回から抑え込まれていたNTT西日本のベテラン右腕・浜崎浩大投手を捉えて、ついに2点をもぎ取った。

 その裏、ノーアウト1・2塁から始まる攻撃で先頭バッターをダブルプレーに打ち取った竹田投手。念願の全国大会への出場権まで、あとひとつのアウトにまでこぎつけた。しかし、極度の緊張感と、9月下旬とは思えない30℃を超える暑さが、連戦の疲れが残る竹田投手から水分と体力を奪っていく。さらにあと1人の場面が、極限までバッターの集中力を高めていった。