「人間として未熟だ。仕事辞めろ」「遺書にお前の名前を書いて死んでやる」「これ以上調べるなら帰り道気を付けろよ」児童相談所の職員が家庭訪問先などで親から言われたという言葉です。心の不調で職員が休職すると人手不足によって子どもを守る対応が後手に回ってしまう事も…。この課題を解決するため、最新のバーチャル技術で職員をサポートする取り組みが始まっています。

■児童相談所 “親の暴言”で心を病む職員も


国山ハセンキャスター:
今、VRゴーグルを装着してバーチャル空間に入りました。私の手も映っています!


国山キャスターが体験しているのは、最新のバーチャル空間を使った児童相談所の職員研修です。

国山キャスター(職員役):
何か手助けになれればという思いで・・・

母親役:
助けるっていうか、こうやって来られる事自体が私にとってすごくストレスなんですね。疑われてるみたいですごく不愉快なんですけど。


職員に浴びせられる厳しい言葉。このシステムが開発された理由とは・・・


児童相談所職員の葛藤や成長をリアルに描いたという、映画『ほどけそうな、息』。監督が複数の児童相談所の職員を取材していて、実話がベースになっています。

若手職員の主人公をたびたび苦しめるのが、虐待している親からの暴言です。

母親役:
迷惑だから帰って!結婚もしてないんでしょ、子供もいないんでしょ!あんたに何がわかるのよ、わかったようなこと言わないでよガキが! 

心の不調が原因で直近1年間に1か月以上休んだ職員がいると答えた児童相談所は30.3%。全ての産業の平均より4.5倍高くなっています。


現役の児童相談所職員が実態を明かしました。

児童相談所の現役職員:
(親が)来るたび来るたび怒鳴られたり、電話をするときも手が震えたりとか。耳鳴りがワッとしたり頻繁にひどい動悸が続くようになった。とにかくバクバクして、身体が揺れるくらい。

子供の命を守るという、重圧。過去にはメンタルの問題で職員が休んだ際、負担の増した同僚が次々倒れ、その結果、子どもを守る仕事にも影響が出たといいます。

児童相談所の現役職員:
後手後手に回ってさらにトラブルが増えて子どもの安全が確認できなくなる。そういった経験はありました。