公明党の山口那津男代表が次の党代表選に立候補を表明。党内では“世代交代”という観点から、石井啓一幹事長に次の代表を譲るのではとの見方もあった中、なぜ立候補にいたったのか?そして、その背景にある“事情”とは?TBS報道局の後藤政治部長の解説です。
後藤政治部長:
9月13日、与党・公明党で動きがありました。いまの山口那津男代表が次の代表選挙にも出馬する考えを表明しました。まずは会見の様子です。
公明党 山口那津男代表
「この難局を乗り越えていくために、党の結束の要として役割を果たしていきたい、そういう決意で立候補させていただきたいと思います」
後藤部長:
代表選挙は15日に告示です。ギリギリで発表したということですが、山口さんが表明したことでおそらく他の対抗馬は出馬しないと思います。続投が事実上決まったということです。
ーー当初、公明党内では山口代表は出馬しないのではないかという見方が出ていたと思いますが?
後藤部長:
そうですね。世代交代という観点からも石井幹事長に次の代表を譲るのでは、という見方も出ていました。党内の事情があって続投の流れになりました。そして2023年春には統一地方選挙があります。組織政党である公明党は支持団体である創価学会の支援もそうですが、地方組織、要するに地方議員が国政選挙の時に一致結束して組織で選挙を行っていく党です。ですから衆参両院の国政選挙と同じくらい重要な選挙です。このため、より安定感のある山口代表に創価学会からの評価も高いです。より安定した選択肢として、続投が優先されたのだと思います。
しかし山口代表は2009年に就任しています。
当時57歳だったと思います。13年間代表を務めてきた。そして、これからも続けると公明党が抱えている“課題”にどう向き合っていくかがあると思います。
ーーどういった課題でしょうか。
後藤部長:
直近の衆・参の国政選挙それぞれ2回の公明党が獲得した比例票の推移です。公明党はこれまで選挙に際しては常に800万票の獲得を目指してきました。しかし、ここのところはその目標に達していません。2021年の総選挙で唯一700万票をクリアしていますが、7月の参院選挙ではそこから100万票近く落としています。
ーーかなり落差がありますね。
後藤部長:
衆院選は小選挙区で自公が協力するため細かい連携が可能です。ですが都道府県単位で議席を争う参院選では自公との緻密な協力態勢は作りづらいということもあり、参院選の方が票が減る傾向があります。ですが、その上でも参院選で618万票しか獲得できなかったことは複数の公明党関係者も“ショック”であることを隠していません。