環境に優しい行動をしているのは誰?
「あれ、若い人は環境問題に関心が高いんじゃないの?」という疑問が膨らんだところで、人々の環境問題への関心について、もう少し解像度を上げて実状に迫ってみましょう。
TBS生活DATAライブラリ定例全国調査には、環境問題に関する行動や意見で選択肢を14個示し、あてはまるものをいくつでも選ぶ質問があります。
選択肢には具体的な行動を示したものが多く、選択率も高いのですが、考え方や心がけ、抽象的な「理念」のようなものも一部含まれています。
そこで、回答者全体の選択率が上位の4項目と、「地球環境や社会を良くするために、自分ができることがあると思う」という考え方について、男女を分けて年代別に集計した結果を棒グラフで示してみました。

回答者全体の選択率ベスト4は女性全体・男性全体でも同じで、1位「エコバッグ利用」、2位「フードロス回避」、3位「冷暖房設定」、4位「つめかえ商品利用」でした。
前述の地球環境問題への関心度もそうでしたが、こちらも全体として女性のほうが男性より選択率が高く、約10~20ポイントほどの開き。そして、どの項目でも年代が若いほど選択率が低調でした。
具体的な行動は選択率が半数を超えるものもありますが、「環境問題の改善に自分もできることがある」という考え方への賛同はそこまで多くなく、全体では2割弱程度。こちらも少ないなりに、男性より女性、年代が高いほど選択率が高いという傾向で一致しています。
選択率ベスト4の項目は、どれも本当に日常の具体的な行動です。それらの選択率が、若年層より中高年層、男性より女性で高いのは、そうした層の人々が選択肢のような日常の行動を行う機会が多いからかも知れません。
洗剤が切れたからスーパーに買いに行く、その時に新品よりもつめかえ商品を買ってゴミを減らすことにする。こうしたことは、ふだん洗い物や洗濯などに関わっているから意識するのであり、自分で洗濯しない人が洗剤をどうしようかなど、気にするとは思えません。
ひょっとして環境問題だと「日頃の実践はともかく、理念には賛同」といった、頭でっかちな傾向が若者に見られるかも、と思いましたが、上のグラフを見る限りではそうでもなさそうです。