東日本大震災以降運転を停止している宮城県にある東北電力女川原子力発電所についてです。東北電力は、29日夜、2号機の原子炉を起動させ、11月7日にも発電を再開する予定です。

東北電力は9月、女川原発2号機の原子炉に核燃料の集合体560体の装填を終えました。その後、原子炉を動かすための検査や点検を進め、この後、原子炉を起動します。

起動は原子炉に入れている137本の制御棒を引き抜くことを指し、これにより炉内で核分裂反応が始まります。核分裂反応が安定すれば発生した蒸気でタービンを回し発電が可能な状態となります。

女川原発は東日本大震災の際、高さおよそ13メートルの津波に襲われました。津波が敷地を越えることはなく事故は免れましたが、外部電源の5つの送電線のうち4つが使えなくなったほか、一部の非常用ディーゼル発電機が使えなくなりました。東北電力は原子力規制委員会の新規制基準に基づいて防潮堤をかさ上げするなどの安全対策工事を行い再稼働を目指していました。原子炉を起動させるのは震災以来13年半ぶりです。

地元の人(女川町民):
「賛成反対ではなく、(原発は)もうできているから、やっぱり早く運転再開が望ましいと思う」
「(福島では)帰れないふるさと、奪われたふるさとになっている。そういうことを女川の人たちにさせるわけにはいかない」
地元の人(石巻市民):
「避難計画そのものが破綻している。それでも強行しているので決して許すことはできない」

震災の津波で重大事故を起こした東京電力・福島第一原発と同じ、「沸騰水型」の原発の再稼働は初めてです。東北電力は11月7日にも発電を再開する予定で、12月頃に営業運転を開始する見通しです。