「自公過半数割れの“最大の貢献者”は維新」
―――大阪には選挙区が全部で19ありますが、そのすべてで日本維新の会が勝利しました。この大阪での戦いぶりを橋下さんはどう評価しますか?
「まず、大阪の有権者は、大阪維新と“国会議員の維新”を混同していると思うんですよ。賛否あるけれども、大阪では維新の知事・市長、維新の府議会議員や市議会議員ら地方議員が様々な政策を実行しています。そのことを有権者は体感をしてくれて、自民党よりもマシかなっていう判断をしてくれたとは思うんですが、これ、国会議員がやったことは何一つないんですよ、大阪での政策は。国会議員は何にもやってない、この大阪の政策については。ただ、大阪に住んでる人は、吉村知事や横山市長、維新が教育の無償化やってる、給食費も無償にしてくれてる、いろんなことやってくれてる…『だから維新』ってなって、国会議員にも(票を)入れたんだけれども、やっぱり一歩大阪から外に出ると、別に維新の国会議員は何にもやってないから『なんで維新なの?』ってことになる。だから全国的に見ると、維新は1人負け、ボロ負け。160人も候補者を立てていて、地方の維新の候補者の得票率は今回、3ポイントとか4ポイント」
「そして今回、自公が過半数割れになったでしょ?これの最大の“貢献者”は維新なんです。なぜかというと、維新がボロ負けしたもんだから、野党票が地方では割れずに全部立憲に行ったわけ。維新が多少頑張っちゃうと、立憲と維新で票が割れてしまって自民党が漁夫の利になるんだけども、維新がボロ負けしたもんだから、立憲の議員が当選して自公過半数割れになった。大阪を見てみると、確かにすごい勢いです。でもこれは、国会議員の活動と大阪維新の活動をどうも混同しちゃって、大阪の人たちは『維新!維新!』って入れてくれた結果だと僕は見てます」
「国会議員の維新の馬場(伸幸)代表は、僕から見れば、維新の中でも一番古いタイプの政治家。昔ながらの自民党の政治をやりたいから、自民党の幹部とか立憲民主党の幹部たちと飲み食いしながら何かいろいろ話を求められて、みたいなことがものすごく大好きな人。馬場さんが地方に出て『大阪の改革を全国に』って言うが、馬場さんは大阪の改革をやったことないからね。厳しく言えばそう。僕は何が言いたいかというと、馬場さんに変わってもらわなきゃいけない。馬場さんが古いタイプの政治家のまま『大阪の改革を全国に』って言ったって、誰にも響かないからもう。『あなたたちがやってるわけじゃないでしょ』と。しかも馬場さんたちは政策活動費という年間6000万円のお金、これを飲み食いに使って領収書を出さないの。僕は『公開しなさい』って言ってるが、馬場さんたち中心メンバーは全然出さないの。『改革でお金を生み出す』って言うんだけど、『いや馬場さん、それやってんの俺らやんか』と。僕が大阪府知事のときには、飲み食いのお金、領収書、これを隠しますなんてことやりませんでした。そんなことをやったら役人も動かない。府民・市民も改革に応じてくれない。根本的に今の国会議員の維新が、ちょっと改革ということを全くわからない人たちがやってることで、維新が全国的には衰退していってしまったというのがある」