米金利高 円安ドル高「トランプ・トレード」再び…

堅調なアメリカ経済を背景にFRB連邦準備制度理事会が利下げのペースを緩やかに進めるとの観測が市場に広がっている。これによりアメリカの長期金利が上昇、一時4.26%に達した。また、トランプ氏の勝利を見越したドル買いも広がり、10月23日、円相場は一時1ドル153円台をつけた。

三井住友信託銀行 瀬良礼子さんは「9月の半ばから円安ドル高という形で、かなり早いペースで円安進んできたが、3つのポイントがある。一つは「アメリカの景気が強いことでの利下げ観測の後退」。二つ目は「トランプ返り咲きの可能性が高まったことで『トランプ・トレード』に備えた投機筋の円の買い持ちの解消、三つ目が「日本の総選挙で自公の過半数割れの可能性が高まってきたことでの日本の政情不安。政治の不透明感、ここへの警戒感からの円安」この三つが要因だったと考える。

(今後の円相場の見通しは)145円ぐらいを年末の中心レベルということで置いている。かなりレンジは広く見ていて上が155円とすると、下が142円あたりを見ておく必要がある」としている。

トランプ氏の勝利を織り込んだ動きは他にも。

トランプ氏が設立したSNSの運営会社、トランプ・メディア&テクノロジー・グループの株価は9月末から急速に反発。アメリカではトランプ氏による規制緩和を期待した「エネルギー関連株」や「金融株」、そして、ビットコインなどの暗号資産も上がり始めている。

さらに連日最高値を更新しているのが「金」の先物価格。トランプ氏の勝利で地政学的リスクが拡大することを懸念し、安全な資産と言われる「金」を買う動きに繋がっている。