「トランプ・トレード」再び… 世界経済への影響は?

――「トランプ・トレード」というと、2016年にトランプ大統領当選したときに「トランプラリー」というのが起きた。当選のときから、ものすごい勢いで株価が上がった。だから「夢をもう一度」と、今回も同じように株価が上がると期待する人も世の中にはいる。ただ、セクターごとによって色合いもだいぶ違いそうだが、今回はどういうところが共通してどういうところが違うのか。
りそなアセットマネジメント チーフ・ストラテジスト 黒瀬浩一氏:
共通点という意味では、前回はサプライズが大きかったので株価が大きく反応したが、私の感覚では30%ぐらいは既に織り込んでいると思う。

――2016年はブレグジットもあって株価低調だった。しかも「トランプ当選は怖い」とみんなが思っていたので、おっかなびっくりだった。今は逆に株価はむしろずっと最高値圏で来ていて、伸び代は2016年より少ない?
りそなアセットマネジメント チーフ・ストラテジスト 黒瀬浩一氏:
かなり小さいと思う。
――前回はディスインフレの時代だった。インフレ環境にある中で長期金利が上がってドル高になったらインフレを加速する。むしろ逆に景気減速懸念の方が台頭しているのでは。
りそなアセットマネジメント チーフ・ストラテジスト 黒瀬浩一氏:
それがあるのでここ数日間は株価が下がっている。ただ投資をやる上では、期間が大事。期間という意味では普通、長期の投資家でも3~6か月ぐらいだと思う。そうするとその間で先に景気刺激の効果が出てくるのでそちらがまずプラスになって、しばらくその状態が続いた後には物価上昇懸念が出てくると思う。
――まだ先だと。物価上昇懸念を心配するなと株式市場は都合の良い理解をしようとするがどうか。
千葉商科大学教授 磯山友幸氏:
規制緩和の話は確かにすごいエンジンにはなると思う。だが規制緩和でメリットを受ける人がその規制緩和のヘッドになるというのは、フェア・公平さを大事にしているアメリカで、本当にこんなことをやって大丈夫なのかと。当然、規制というのは、それに守られてる人たちもいるから、また分断が進んでいく感じもする。
――実際になってみなければわからないとは言いつつも、トランプ的な手法で強引に物事を進めていくと国内の混乱を招くこともある。それでも市場の方は、ハリス氏よりもトランプ氏の経済政策に期待する感じが強いのか。
りそなアセットマネジメント チーフ・ストラテジスト 黒瀬浩一氏:
これはもう相当強いと思う。まず潜在成長率が上がる、それから規制緩和は結局、物価を下げる。その辺の期待も大きいと思う。
(BS-TBS『Bizスクエア』 10月26日放送より)














