岡山県の最北端、真庭市蒜山で無農薬で育てた米や野菜、それらで作った飲食物を販売するイベントが初開催されました。手掛けたのは県外からの移住者たちです。地域を盛り上げようと奮闘する姿を取材しました。
「おいしい」
真庭市蒜山の中和地区で初開催されたオーガニックマーケット、「蒜山ノ懐市」です。

無農薬で育てた地元産の米や野菜、それにこれらで作った飲食物を住民らが中心となって販売するイベントです。農作物の美味しさを知ってもらうとともに、地域の盛り上げに繋がればと企画されました。
(高谷裕治さん)
「この土地の魅力を『食』を通して知ってもらうことが一番の目的だと思うので…」
“蒜山耕藝”の名義で活動する、農家の高谷夫妻は農業に最適な土地を求め、2011年に首都圏から移住してきました。会場では無肥料・無農薬の野菜や自家製のどぶろくを販売しました。

一方、こちらは今回のイベントを発案した村田夫妻。かつて東京・中目黒でミシュラン一つ星に輝く鰻専門店を経営していましたが、自然に囲まれて暮らしたいと4年前移住してきました。今回は食材の良さをシンプルに感じてもらいたいと、炭火で炊いた米や味噌汁を販売しました。

(蒜山鰻専門店 村田朋子さん)
「この地域は水の音がどこでもする。水の豊かさが、たぶん人の優しさにつながっている気がする」
このほかにも真庭市の元職員で去年、ビールの醸造所を開設した杉保志さんが自慢のビールを販売するなど、多彩な商品が並びました。

そして、会場にはこんな場所も…
「わーい」
落ち葉投げて遊んだりと、家族連れが楽しめるように里山の自然を活かした遊び場を用意。さらに…
(秋庭貴泰)
「なんとこのイベント、移住の相談コーナーもあるんです」
移住に関心がある人に向け、今住んでいる住民に直接相談できるコーナーも設けました。訪れた人はたくさんのアイデアが盛り込まれたイベントを思い思いに楽しんでいました。
(広島から訪れた)
「本当にいいところですよ、中和は。お水もおいしいし住んでる人も最高です」
(訪れた人)
「おいしいです」
県外からの移住者たちが奮闘し、里山の新たな魅力を発信する「蒜山ノ懐市」。今後、さらに移住者を呼び込むきっかけになるかもしれません。