より巧妙化 時代とともに変化する犯罪
龍谷大学・犯罪学研究センターの前所長である石塚伸一名誉教授によりますと、時代とともに犯罪の中身が変化していると言います。
昭和の時代にはストリートクライム(街頭犯罪)と呼ばれる窃盗や置き引き、空き巣などが主流でした。
平成時代になると電話による詐欺に変わっていきます。犯罪の中身も時代背景を表していて、子どもや孫を装う『オレオレ詐欺』、低金利でお金が増えない時代に入ってくると『未公開株』の手口が増加。さらに、給付金などがさまざまな形で政府からもらえるようになると『還付金詐欺』が出てきます。
令和時代に入ると、SNSをきっかけにした『闇バイト』へと変わっていき、誘う手口も巧妙化・多様化しています。手っ取り早く収益を得るため手口が荒くなっていっていきます。
これを加速させたのが新型コロナ。コロナによって対面せずリモートでやり取りをするのが日常になったことが背景にあります。石塚伸一名誉教授によりますと、犯罪者側にとっては若者を脅すなどしてコントロールする“洗脳の手口”が確立されたところだということです。今後はより巧妙なやり方で全国に広がっていく恐れがあるといいます。