猛烈な逆風「何と戦っているのか分からない」
総務大臣や国家公安委員長などを歴任した武田良太氏。抜群の集金力を誇り、いわゆる大物政治家として、支持者からは「将来の幹事長・総理候補」という声も上がっていた。その武田氏、接戦が伝えられるとそれまでの強気の発言から一転する姿も見られた。
武田良太氏 23日
「戦えば戦うほど猛烈な逆風を感じる選挙であります。何と戦っているのか分からない重い空気が漂う」

武田氏が戦っていた重い空気こそが、「民意」なのではないだろうか。疑惑を持たれた中で、どれだけ誠意を尽くして説明してきたのかが問われていたはずだ。
マイクを使った選挙活動ができる最後となる26日の午後8時前の「マイク納め」で武田氏は選挙戦を振り返って、「どんよりした空気の逆風の中の選挙」と表現していた。
裏金問題、統一教会との関わり、そして大任町長との関係。いずれの敗因にも共通するのは、不透明、そして説明責任を果たさない姿勢だ。
「どんよりとした空気」こそが、説明が十分に尽くされないことで有権者が武田氏と自民党に対して感じていたものかもしれない。
開票当日 異例の取材拒否
武田良太氏の陣営は27日の開票当日、選挙事務所でのRKBの取材と中継を拒否すると伝えてきた。
10月25日に放送したニュースの表現が理由だとしている。
裏金問題で処分の自民・元総務大臣が大接戦 対立する新人候補を応援する地元首長も【福岡11区】(2024年10月25日)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/rkb/1511781
「派閥から受けた寄付金1926万円を政治資金収支報告書に記載していなかった問題で1年間の党の役職停止処分を受け、比例との重複は認められませんでした。」と、「不記載」と表現したことが問題だという。
武田氏側の主張は「他の議員のように裏金づくり目的の不記載ではなく、自らのパーティ売上として計上した『誤記載』だ」というものだ。

他のメディアが事務所内から中継する中、私たちRKBは、事務所の敷地外から中継をした。
不十分な説明、そして異例の中継拒否。こうした姿勢を続ける武田氏に、「どんよりした空気」を晴らすことができる日は来るのだろうか。
RKB毎日放送 記者 今林隆史